ご挨拶
老舗は危機感と信用の上に建つ
お陰様で小島工芸は平成28年に創業130年を迎えます。
初代小島兼吉が明治19年に浅草三筋町で創業以来、勝五郎、勝己、そして私・勝利に事業継承されております。
昭和63年、3代目小島勝己が59才の若さで急逝しました。以来、経営を引き継ぎ、バブル経済の崩壊・阪神淡路大震災・金融不安・リーマンショック・東日本大震災と様々な困難を乗り越え四半世紀を過ぎ今日を迎える事が出来るのはひとえにお客様からのご支援・ご鞭撻があっての事と衷心から御礼を申し上げます。
冒頭に記した「老舗は危機感と信用の上に建つ」について述べたいと存じます。
本来、「老舗」という言葉は自分で自分を表する時に使うものではありませんが自らが自らの戒めとして絶えず反芻するため、敢えてこの「老舗」という言葉を使わせていただきます。
稼業を継続するには本業に専念して信用・信頼を築くことが大切だと考えています。
それと、もう一つ危機感です。
老舗・伝統の上に胡坐を掻いたらその瞬間からその企業は自滅していくことでしょう。
だからと言って、専守防衛的な経営ではなく、自分自身を戒め・鷹揚にならない様、そして常に危機感を抱いて経営に当たることが肝心だと感じております。
これからの小島工芸にとって必要なこととは、変えなくてはならないことは勇気をもって変えるという決心と、現状に満足せず、よりよいやり方があると信じて絶えずイノベーションを進めていく姿勢です。 この事が、未来に向けた小島工芸の行動の指針です。
私は小学校から剣道を習い、現在も地元の道場に通い鍛錬を続けています。剣道に「守破離」と言う教えがあります。
【守】は師匠の教えを守り、忠実に再現するための練習や訓練をする。ひたすら基本の繰り返しをする時期。「型」を身につける。
【破】は基本を繰り返すコトで出来上がった「型」「基礎」「基本」を自分のものとした後に、【守】を破りオリジナリティを付け加える時期。独自の研究を重ね、自分の手法を確立していく。
【離】は最終段階。今まで鍛錬してきた【守】【破】を完全にオリジナルへと進化させる時期。独自性を発揮していく。
この教えは会社経営に通じるものがあると思います。【守】が伝統を守る志であり、【破】がイノベーション、【離】の教えの中には「物事を解決する」意味合いがあると理解しています。今でいう「ソリューション」の思想です。
伝統を守りながら、いや、伝統を大切にするがために常に新しいことへ挑戦し続ける会社でありたいと念じております。
平成27年7月1日
小島工芸株式会社
代表取締役 小島勝利
知的資産経営報告書小島工芸の「知的資産経営報告書」を作成しました。 |